14のフレームワークで考えるデータ分析の教科書 髙橋 威知郎(著)
【書評】この本を読んでもデータ分析ができるようにはならない
データ分析とは何?どういうこと?を書いた本です。実務者がこの本を読んでもデータ分析をできるようにはならないでしょう。仮に中高生が将来の仕事を考えるのであればデータ分析の触りをわかりやすく書かれている意味で評価できるかもしれません。しかし、それ以外、新入社員であってもこの本はお勧めできません。
本書の後半3分の1ほど割かれている実例編、この分析が可能なデータが手元に揃っていれば苦労はありません。
データ分析とは、「準備する」「集める」が肝要。その点は本書でも触れられています。しかし、どのように分析対象のデータを作成するかという基本を抜きにすると、どうやって準備し、どのように集めるのかがわかりません。
私の経験則で申し上げると、実務者の間でもその基本が理解できておらず、非効率なExcelシートでその場限りの集計作業が溢れているように思います。
データ分析する際、「何のために?」「どんな意思決定を?」と考えれば自ずと本書で触れられているツールと技法に出会うでしょう。
これからデータ分析を始める方には本書よりも、「EXCELマーケティングリサーチ&データ分析[ビジテク]」辺り、理論と技術をセットで学ばれることをお勧めしたいです。
余談で私の印象論であることを最初に申し上げますが、この出版社のAmazonレビューは怪しいです。
このレビューをアップした今現在、4人中4人が星5つ、そこまではあり得ないことではありません。しかし、発売から期間が経過している「<決定版>年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」星5つが24人にも関わらず、「参考になった」の上位は軒並み星1つです。「儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書」も同様、星5つが11人いるにもかかわらず両極端。このは私も読んだが内容は薄かったです。
この手の議論は結論が出るものではありませんが、本書の購入を考えている方はぜひ手にとって、実際に内容を確認されることをお勧めしたいと思います。
余談の余談。上記のレビューをAmazonにアップしたのは、2014年11月。その時この本のレビューは、最初の4人が4人とも星5つ(当然星の数の平均は、5.0)。その内容に違和感を覚え、私がレビューを書くきっかけになりました。
2015年5月現在、「参考になった」の上位は2位がともに星1つです。最初の4人を除くと星の数の平均は、2.83です。
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